ぼくは5年間引きこもっていました。
17歳で高校を中退してから、22歳でスーパーのアルバイトを始めるまでの約5年間、僕は社会の中で“働く”ということからは離れていました。
でも実はその期間、完全に部屋にこもっていたわけではありません。
今振り返ると、「気持ちの上で引きこもっていた」——そんな感覚だったように思います。
通信制の高校や大学に通い、児童精神科やフリースクールに行ったこともありました。
そして何より、中学の頃の友人・リッキーの存在がありました。
読書と筋トレが好きで、心の優しい彼とは、よく一緒に遊びました。
祖母もいてくれたおかげで、ご飯を一緒に食べたり、漫画やお菓子を買いに出かけたり。
一人ぼっちで殻に閉じこもっていたわけではないんです。
思えば、家族や友人、そして医療の専門家など、少人数でもいいから信頼できる人たちとつながっていられたことが、僕をゆっくりと前に進ませてくれたのかもしれません。
母が病床から書いてくれた手紙の一節が、今も心に残っています。
「友達は多くなくていい。一緒にいて安心する、心からなんでも話せる、そういう人が一人でも二人でもいれば、それだけで幸せだよ。」
この言葉は、僕の人生を支える大切な柱になっています。
特に、僕のようなタイプの人間には、本当にその通りだと思います。
母は、僕の性格や心のあり方をきっと見抜いていたんでしょうね。
あの手紙の言葉があったから、今も安心して、自分のペースで人生を歩いていけている気がします。
ありがとう、お母さん。
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