通信制の大学に通っていたぼくにとって、いわゆる“学園祭”はちょっと縁遠いイベントだった。
校舎に足を運ぶことも少なくて、自分の大学の学園祭は「へぇ〜今やってるんだ」って遠くからホームページをのぞくくらい。
でもある日、たんくんの通う大学の学園祭に行ってみようという話が持ち上がった。
ぼく、リッキー、そしてたんくんの三人で「行ってみるか」と決まった。
たんくん自身は出店しているわけじゃなくて、単なるお客さん。
でも、なんとなくその大学の空気を感じてみたいという気持ちがあった。
当日、大学のキャンパスに一歩足を踏み入れた瞬間、
「わ、なんだこれ……」って内心ちょっと圧倒された。
とにかくおしゃれな学生たちが多くて、そこにいるだけで目がチカチカするようなキラキラした空気。
服装、髪型、話し方、雰囲気。全部がまるで違う世界みたいだった。
「たんくん、よくこの中でやってるな」って思ったけど、
逆に「そりゃなかなか友達できなくても仕方ないな」って思えるくらいには、ちょっと異世界感あった(笑)
でも、その中に混ざって、僕たちは焼きそばを買ったり、模擬店をのぞいたりして、
中学時代に戻ったみたいに自然に楽しんでた。
この日は、中学の同級生の女の子も一緒に来てくれてて。
その子は専門学校に通ってたけど、大学のキャンパスの空気にふれて、ちょっと新鮮だったんじゃないかな。
駅から電車に乗って、ふだん行かない街に降りて、にぎやかな雰囲気の中を歩くだけでも“旅”みたいで。
大学の学園祭って、ただのイベントじゃなくて、
**「自分の知らない世界に少しだけ足を踏み入れる体験」**なんだと思う。
学生じゃなくても、通信制でも、誰かの付き添いでも、
行ってみると世界が広がるかもしれない。
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